【老猿は死なず】「高崎山」最長老ザル、姿を消す【ただ去りゆくのみ】


 潔し。

消えた「高崎山」最長老ザル…動物園が捜索


 野生のニホンザルの餌付けで知られる大分市高崎山自然動物園で、最長老の「ベンツ」(推定35歳)が姿を見せなくなり、園は20日、捜索隊を出して安否確認に乗り出した。
 二つの群れでトップになった唯一の雄ザル。人間に例えると100歳を超え、生存が危ぶまれるという。
 園によると、1987年、最年少の9歳でB群のトップになった。しかし、C群の雌に恋をしてB群を追われ、90年にC群に移籍。下積み生活を送り、2011年にトップに上り詰めた。
 ドイツの高級車と同じ名前は、貫禄ある体格に由来し、11年のC群トップ就任式には輸入車を扱う大分ヤナセの社長が出席した。
 20日は午前9時から、捜索隊の職員4人が、1週間前に最後に目撃されたサル寄せ場を出発し、午後3時まで山中を捜索したが発見できなかった。24日も捜索する。
 園を運営する大分市高崎山管理公社の田中雄三事務局長は「多くのファンが安否を気遣っている。元気な姿で見つかることを信じている」と話した。
 園によると、サルは死期が近づくと群れを離れて姿を消すとされる。
(9月19日 読売新聞)