週刊ビッグコミックスピリッツ53号(2012年) 〜 続・「こだわり」に対する「こだわり」


 先日、最近の同誌で一番好きな漫画は、「結構なオモチをお持ちなポルトガル娘・マルタさんの貧乏&こだわりジャパンライフ」を描いている高尾じんぐの「くーねるまるた」と書きましたが、それに続くのが、片山ユキヲの「花もて語れ」。今の「おきなぐさ」編もそうですが、朗読する作品世界に対する考察や解釈を、主人公・ハナさんの感性を通して多様に深く表現している「こだわり」が好きですね。


 そういう意味では、「ラストイニング」や「かもめ☆チャンス」、そしてラスト2回になりましたが「バンビ〜ノ!」も、それぞれに、描き手の「こだわり」が感じられて、好みの作品です。


 で、なんで先週に続いてそんなことを言い出したかと言うと、これもまた、先週に続いてソラキスズ(原作ゆきもり)の「プラモ男子とプリチー女子」の主人公の「こだわり」に全然共感できなかったから。


 ていうか、ガノタライフに人生賭けている主人公視点で語っているはずなのに、その実、何にこだわっているのかさっぱり分からん。非常識美少女に初夜展開をリードされる部分はともかく、主人公、屁理屈やガノタな小ネタをこねてる割にゃ、あまりに行動に主体性&一貫性無さ過ぎじゃね?。とにかく、「40歳独身男の部分」と「自己設定好きガノタの部分」が、ほとんど繋がってないのよ。この程度の浅いキャラで「俺はガンプラに人生賭けてるんだ!」的な連呼されても、違和感しか感じないべ。これ、この後どういう「こだわり」に基づいて描いて行くつもりなんだろう?>作者。